クラウド会計を使っていると、口座間でお金の移動をしたときに1つの取引で2つのデータができることがあります。
その場合の対処方法についてお話します。
ネットバンクの連携
クラウド会計のメリットはデータ連携ができること。
ネットバンクからもデータ連携をすることができます。
結果として、入力する必要はなくなり、残高があわないと慌てることはなくなりました。
ただ、クラウド会計ならではの問題もあります。
たとえば、A銀行からB銀行にお金を移動させた場合、A銀行とB銀行、それぞれのデータを連携していれば、1つの取引で2つのデータが連携されることになります。
この場合に考えられる処理は、
- A銀行のデータ連携を利用して「B銀行100/A銀行100」と処理し、B銀行の連携データは仕訳対象外にする
- B銀行のデータ連携を利用して「B銀行100/A銀行100」と処理し、A銀行の連携データは仕訳対象外にする
- A銀行とB銀行の連携データをそれぞれ利用して、仕訳対象外にはしない
の3つです。
わたしは③のパターンをおすすめしています。
クラウド会計ならではの処理
A銀行とB銀行でお金の移動をした場合、1つの取引で2つのデータが生成されるというのは、クラウド会計ならではです。
このときに、あまり考えずにサッと処理したいものです。
ただ、どちらかを仕訳対象外にするとなると、その連携科目を修正する処理が必要になりますし、その都度、「あれ?どっちの連携データを対象外にするんだっけ?」となりがちです。
その考える時間はもったいないので、それならばどちらも共存の道を考えたほうがいいかなというのが結論です。
学習機能を使って、通帳の摘要から科目設定もある程度限定できますので、科目を変えずに登録ボタンのクリックだけにする、もしくは自動登録されるように設定しておきます。
ただし、資金移動のパターンを増やしてしまうと、判断しにくくなるので資金移動のルール決めも必要です。
簿記のルール<経理の効率化
簿記の仕訳なら
「B銀行100/A銀行100」
というのが正しいのですが、対象外の処理をしなくていいように、あえて「資金移動」という通過科目(「複合」でもなんでも大丈夫です。)をつくって、
A銀行の連携データでは「資金移動100/A銀行100」として、
B銀行の連携データでは「B銀行100/資金移動100」とします。
そうすると、2つの仕訳をまとめたときには
「B銀行100/A銀行100」
となり、意味は同じになります。
簿記のルールも大事ですが、結果が同じならいいかなと。
経理しやすいように、しくみを考えるほうが大事かなと考えています。
クラウド会計では、経理しやすいようなしくみをつくることが欠かせません。
このやり方よりもいいやり方があれば、それでも問題ありません。こういう例もあるということで参考にしていただければ。