相続税の申告をじぶんでできる方は、どんな方なのか?を考えてみました。
相続人がひとり、あるいは財産の構成がシンプルなケースなら、じぶんで申告をやってみるのもありです。
相続税の申告をじぶんでやるというツワモノ
独立する以前、「相続税の申告をじぶんでやっているんだけど…」という女性と話をしたことがあります。
税理士ではない方で、当時は「そんなも人いるんだなぁ」と驚いたものです。
相続税の申告するとなると、財産の評価もむずかしいですし、特例の適用もあり、税理士に任せるというのが通常ではあるのですが、じぶんで申告することもできないとも言い切れません。
では、どんな人ならじぶんで申告することを考えてみてもいいのか?を書いてみます。
相続税の申告をじぶんでやれるのはこんな人
では、じぶんで相続税の申告ができるとしたら、どんなケースになるのか?いくつか挙げてみました。
- 相続財産が自宅と預金、上場株式くらいしかない
- 相続財産である土地の形が長方形などいわゆる整形地である
- 相続人が1人
- 小規模宅地等の特例が理解できて、使ったら税額がゼロになる(自宅を相続する場合で)
- 相続人が配偶者1人で配偶者の税額軽減で税額がゼロになる
- 生前に贈与した財産がない
- 親族間でお金のやりとりがない(貸す・借りる)
- 遺言書がある
- 海外に財産がない
- 家族名義の財産(名義財産の可能性があるもの)がない
- 戸籍や登記簿などの書類を集める手間をいとわない
- ネットを使える
ざっとこんなところでしょうか。
自宅や預金、上場株式だけなら、財産評価はそれほど難しくないでしょうし、財産の動きも多くなく、土地のかたちもシンプル、相続人ひとりで話し合いが不要という場合であれば、じぶんで相続税の申告をやってみるのもありでしょうね。
直前で引き出した現金があればそれもお忘れなく。
じぶんで申告するなら考えておきたい その先のはなし
じぶんで相続税の申告をするなら、土地の評価が本来より増えてしまうというリスクはあるでしょう。
配偶者の税額軽減が使える、小規模宅地等の特例が使えるというのであれば、それほど税金に影響はないかもしれません。
ただ、忘れずにやっておきたいのは、相続のその先を考えておくこと。
- 配偶者の税額軽減を使ってすべて配偶者が取得したけど、それだと実は2次相続で大きな税負担が出る
- 家族名義の預金があったけど、判断できないからとりあえず今回はスルーした。
ひとまず今回は…ということで申告を済ませると、数年後に税務調査が来たりと、あとで想定していなかった場面に出会うケースもあります。
じぶんで申告したいけど迷うという場合には、一度税理士に相談したほうがいいでしょうね。
あとで「〇〇しておけばよかった…」ということがないように。
じぶんで計算するなら、最初は国税庁のこのソフトで試してみてもいいかと。
ただ、申告書をつくるレベルではないので、最終的には、申告ソフトを買ったほうがいいでしょうね。計算が自動ですし。
手書きはミスにつながるのでおすすめしません。
ソフトといっても、国税庁のe-taxソフトを使ってはいけません。あれは、合計も手入力という想像をはるかに超えるソフトですので…。
相続税の電子申告をe-taxソフトでやってはいけない | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog