生命保険と相続
相続を考えたとき、生命保険が「払えるか?」の相続対策として検討されることがあります。
その理由の1つは、亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取ると、相続税の非課税枠を使えるからです。相続放棄をした人や相続権を失った人は、この枠を使えません。
その金額は500万円×法定相続人の数。
たとえば、法定相続人が2人なら生命保険金の非課税枠は1,000万円。
保険金を受け取る相続人が複数いて、その合計額が非課税枠を超える場合は、それぞれが受け取った保険金の割合で非課税枠を割り振ります。なお、枠を計算する法定相続人の数は、相続放棄がなかったものとして数えます。
同じ1,000万円。
預金で1,000万円 生命保険金として1,000万円おりる というのでは受け取る金額が同じ1,000万円でも違います。
預金は相続税の計算に含まれ、生命保険金の非課税枠は使えません。ただし、実際に相続税がかかるかは、ほかの財産や債務、相続税の基礎控除なども含めて判断します。
いっぽうで、非課税枠がある生命保険金は
保険金1,000万円-非課税枠1,000万円(500万円×2人)=0
となって、相続税は実質かからないということになります。
そのまま1,000万円を相続税を払うためのお金に充てることができます。
80歳で終身保険に入る意味
生命保険は若いうちに入っておくことがほとんどですが、相続対策で生命保険に加入することを検討するケースがあります。
それは、前述のとおり生命保険に非課税枠があるから。
というと。たとえば、70歳、80歳になった方が入れる保険があるか?
「いまさら入れるの?」というのは誰もが思うことです。
ただ実際はそのような年齢でも加入できる保険はあります。
たとえば、無告知(保険加入のための告知が不要)で、保険料一時払いで運用益のない保険です。
つまり、保険を契約して500万円の保険料を一時払いしたら、保険がおりるときも500万円そのままという保険です。
それでも相続人が受け取った生命保険金には、非課税枠を利用することができます。
長生きのためのお金も必要
生命保険を契約することで、その後の「払えるか」の対策になりますし、渡したい方に確実に渡せます。
注意したいのは、被相続人になる方の長生きのためのお金も必要だということ。
上記のようなケースで加入する保険については、保険料を一時払いすることになります。
毎月払いではないのです。
そうなると、大きなお金が一度に出ていく結果になります。
だからこそ、「払えるか?」の対策と長生きのためのお金のバランスをとることが大事です。
長生きするのにも、医療費のためのお金などは必要になりますので。
同じことが生前贈与で子や孫にわたすお金についてもいえます。
確かに税金は減るかもしれませんが、じぶんの暮らしが保てなくなっては意味がありません。

