ネット取引の保存の変更
2022年1月からネット取引やメールでやりとりした請求書を紙で保存してはいけないというルールに変更になります。
…という話をこれまでにも記事にしてきました。
ところが、この話。2022年税制改正で大きく舵が切られることになりました。
これまで青色申告を取り消すといったかと思えば、次には直ちに取消すことはない、などと段階的にトーンダウンしてきたところ。
2022年1月1日まであと1ヶ月を切ったところでさらなるトーンダウンという着地点を迎えました。
国の発信力が足りないということもあるでしょうね。
知らない方もいたでしょうから。 では、どう変更になるのか、次から触れていきたいと思います。
2年間の緩和という着地点
では、ネット取引の保存についてどう変わるのか。
2022年1月から2023年12月31日までは、ネット取引について保存要件を満たしていなかったとしても、やむを得ない理由があればその保存を認めるというもの。
たとえば、ネットで保存しないといけないのに、紙で保存していたというような場合も税務調査のときにすぐに出せるようにしていれば、2年間は大目に見るというイメージです。
- やむを得ない事情がある
- 税務調査で「見せて」と言われたときにネット取引の請求書などをプリントした紙で見せることができる
という2本柱が2022年1月から2023年12月31日までの2年間のルール。
じゃあやむを得ない場合とはどういう場合なのか、税務調査時に税務署がどう判断するのか。 そのあたりがあいまいです。
もし税務調査のときにネット保存ができていなかったことがわかった場合には、そのときに「今回はやむを得ない場合だった」という申し出をするんだとか。
「やむを得ない」の事前申請がいらないということなので形式的なものでしょうね…。
方向性は変わらない…はず
とはいえ、とりあえずは2年限定です。
その後、2024年1月1日から当初のとおりにネット取引の書類はネット保存しないといけないとなるはずですが、正直なところどうなるかはわかりません。
また延長になるかもしれませんし。
ただ、方向性としてはペーパレスにはなるはず。(と信じたい)
「これでもう忘れていいや」とは考えずに、現状の取引をどうするか、日々考えて対策しておいたほうがいいでしょうね。