粗利益のマイナスが意味するもの

粗利益がマイナスになるということは、基本的にはないでしょう。

経理処理が足りていないことがほとんどです。これからを考えるためにもきっちり処理しておきましょう。

目次

粗利益>固定費なら利益

商品を仕入れて売っている場合、仕入れがあり、その後に売上があります。

ただ、仕入れたものがすぐに売れるかといえば、そうとも限りません。

在庫として残ることもあります。

商品は売れたときに、売上が立ちますし、その仕入金額も売上原価になります。

その売上と売上げた商品の原価(仕入値)との差額が粗利益といわれる利益です。

商品を売った結果の粗利益を集めて、粗利益>固定費(販売費及び一般管理費)となれば、利益が出るということになります。

粗利益のマイナスが意味するもの

推移表などを見ると、粗利益がマイナスになっていることがあります。

粗利益のマイナスが意味することは、売れば売るほど赤字になるということです。

もし、売れば売るほど赤字になるならば、しごとを続けることは難しくなります。

そうではないと思うのです。粗利益がマイナスになるのを想定してしごとをする人はだれもいないでしょうから。

経理に足りないことがあるはずです。

経理が足りない

粗利益がマイナスだという場合にまっさきに浮かぶのは、在庫を処理していないこと。

仕入=売上原価としていることが原因です。

商品を売る場合には、先に仕入があります。そのため売上より仕入の金額が大きいということはありえます。

月末に在庫があるなら在庫への振替処理が必要です。

  • 商品(B/S) 100/月末商品棚卸高(P/L)100

翌月初になったら、

  • 月初商品棚卸高(P/L)100/商品(B/S) 100

というように振替処理することで、売れたものだけを売上原価にすることができます。

まだ売れていない商品があれば、それは経費にはなりません。資産です。

同様に、自社利用したとか、商品を廃棄したというのであれば、

  • 各経費科目(P/L) 100/他勘定振替高(P/L)100

というように売上原価の計算から外し、固定費(販売費及び一般管理費)に振替処理します。

税金のルールでは同じ経費なので処理しなくても問題はないのですが、チェックするべき数字には影響する可能性があります。

このような原因で粗利益がマイナスになることはありえますが、基本的にはないはずです。

毎月の粗利率をチェックするのもおすすめです。明らかに粗利率が低いということであればなにかしらの原因があります。

これは経理処理が原因とは限りませんが。

毎月の粗利率がわかると、どれだけの数売れば利益が出るか?いくらで売れば利益がでるか?というこれからの話も考えやすくなります。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひとり社長・フリーランスの経理をITを活用してサポートします。クラウド会計の導入・スポットでの相談・相続税申告も得意です。著書に「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」(共著)

目次