役員からの借入金を長期借入金の科目で処理してはいけない。

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誰からの借入金?

会社がお金を借りるのはよくある話です。

誰から借りるか。

銀行から借りることもあれば、社長から借りることもあります。

どちらも返さないといけないお金には違いありません。

借入金には短期借入金と長期借入金があるわけですが、社長からの借入金は1年以内に全額返済することはほとんどなく、決算書では、固定負債として表示されます。

長期の借入金には違いないけど

銀行からの借入金、社長からの借入金も1年を超えて返済するのであれば、長期借入金ということになります。

ただ、銀行からの借入金とは、明らかに性質が違うものです。

銀行からの借入金のように、毎月返済しないといけないものではない
銀行からの借入金のように必ずしも返済期間が決まっているわけではない

という特徴があります。

役員からの借入金とはいえ、その性質は資本金に近いものです。

役員からの借入金は資本と一緒

資本金を増やそうと思えば、増資の登記をする必要があります。

ただ、役員からの借入金であれば、登記の必要はありません。

ただ、どちらも会社にお金を入れるという意味では同じです。

その点で、役員借入金は資本金のようなものだといえます。この役員借入金を銀行は資本金として見てくれます。

本来、固定負債である役員借入金、銀行の融資審査の上では資本金と同じ純資産として考えてくれることとなり、その分自己資本比率が増えることになり、融資の上ではプラス評価です。

決算書には、銀行からの長期借入金と区別して、役員借入金や社長借入金といった科目で別表示しておきましょう。

もし、決算書でどちらも同じ長期借入金で表示していれば、銀行側で融資審査をするときに役員借入金を純資産として扱ってくれない可能性もあります。

決算書の情報を銀行の審査ソフトに入力するのは、パートの方で内情をわかっていない人だったりしますので。


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この記事を書いた人

ひとり社長・フリーランスの経理をITを活用してサポートします。クラウド会計の導入・スポットでの相談・相続税申告も得意です。著書に「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」(共著)

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