税務調査ではどんなところを見るのか?
タイムカードや下駄箱をどうしてチェックするのかという事例でまとめてみました。
税務調査で用意する資料
税務調査の連絡があると、対象となる期間、必要な書類などが告げられます。
たとえばこういったものが必要になります。
- 会社の経歴書
- 総勘定元帳
- 通帳・領収書綴り
- 請求書・レシート(領収書)
- 源泉徴収簿(労務書類)
- 契約書関係
対象となる期間は通常3年。よほどのことがない限りは遡ることはありません。
会計帳簿以外が見られている
税務調査では、たいてい午前中に経歴書などをもとに仕事に関係する話を中心にします。
そこで取引や主要な得意先など概要をつかんでいます。世間話をしつつ、裏で判断材料を集めています。
午後以降の調査中に、つじつまが合わないことがあれば指摘するわけです。
午後から総勘定元帳あたりから見始めますが、調査に来るときに目星を着けているものがあればそこから。
総勘定元帳を見るのは少しだけ。それよりも、会計の元データである請求書やレシート、源泉徴収簿といった資料をチェックします。
税務調査という限られた時間で、成果を見つけるには当たりをつけて探したほうが効率がいいからです。
- 買ったモノの情報(経費にならないものを探す)
- 領収書でゼロを1つ増やしている(脱税)
といったことは、総勘定元帳を眺めていてもわからないので、実態を探っていくのです。
なぜタイムカードや下駄箱を見るのか?
税務調査では、下駄箱をチェックしたり、タイムカードをチェックするといったことがあります。
いったい何の意味があるのか?
下駄箱には、名前が書かれています。その人数を数えて、賃金台帳と下駄箱の名札の名前を照合するのです。
同じようにタイムカードがあれば、それも賃金台帳と照合します。
実際に働いていない人、架空の人件費が払われていないかを見ているのです。
架空の人件費というのは、たとえば、社長の給料を2つにわけて、架空の人物に支給することで税金を下げるというようなものです。
これは脱税ですね。
こういうのは、総勘定元帳を見ていてもわかりませんし、賃金台帳を見ていてもわかりません。
架空の人件費があれば、ペナルティも重くなる(重加算税)し、税務署からしたら効率がいいわけです。
実際にそんなことをしていなくても、チェックされると思っておきましょう。
実態はどうなの?というのを税務署なりにチェックするわけです。
ちゃんと経理し、申告していれば、モレがあったとしても、それはミス。意図したものではなく修正申告をすればいい話です。
でも、脱税は意図的に税金を減らしています。許されるはずもなく、ペナルティも重くなります。そして、絶対にバレます。
同じ日なのにタイムカードの印字が1枚だけ濃さが違うというので架空の人件費が見つかったという事例も世の中にはありますので。