会社の株主、株式に動きがあったら、株主名簿を整え、法人税の申告書にも正しく反映しておきたいところです。
株式をわたす
会社は人ではありません。
お金がなくならない限りは続けることができます。
もし会社を続けるなら、社長を交代するタイミングが来るものです。
中小企業では、後継の社長に会社の株式をわたすのがセオリーです。
株式には議決権がありますので、後継の社長に株式を集めておいたほうがいいわけです。
議決権の3分の2以上を持ってもらうのが、一般的な特別決議まで見据えた目安です。ただし、定款や種類株式、会社の機関設計によっても変わります。
法人税の申告書で表示
もし会社の株主や所有株式数が変わった場合には、確定申告が必要になる場合があります。
個人から贈与で株式をもらった場合には、贈与税の申告が必要か確認します。暦年課税なら、その年にすべての贈与者からもらった暦年課税の対象財産を合計して110万円以下であれば、原則として贈与税の申告は不要です。相続時精算課税は別に判定し、2024年以後の贈与には年110万円の基礎控除がありますが、初めて選択する年は届出が必要です。
個人が非上場株式を売って利益が出た場合は、原則として申告分離課税の対象です。ただし、給与所得者の申告不要の要件などにより、所得税の確定申告が不要となる場合もあります。住民税の申告は別に確認します。
もう1つやっておきたいのは、法人税の申告書の記載を変更すること。
具体的には、当期末の株主情報を法人税申告書の別表二に正しく反映することです。ただし、別表二は株主名簿の代わりにはならないので、名義書換や譲渡承認など必要な手続きも確認しておきましょう。
決算書は基本的には捨てない資料です。数年後に株主と株式数をチェックしたいということがあっても、すぐにわかります。
株式会社は、計算書類とその附属明細書を作成時から10年間保存します。法人税上の帳簿書類は原則として申告期限の翌日から7年間、一定の欠損金等が生じた事業年度は10年間です(2018年4月1日前に開始した該当事業年度は9年間)。紙かPDFかで期間が変わるわけではありません。法定の保存方法も満たしたうえで、決算書は長く保管しておくのがおすすめです。
税務署からお尋ねがくることもある
株主の件で税務署からお尋ね(郵送)がくることがあります。
たとえば、法人税の申告書で株式数に動きがあったのに、その申告がされていないような場合です。
税務署は株価の詳細は知らないので、決算書を見て申告が必要なのでは?と予想できる場合には、聞いてくるわけです。
申告が必要なら、申告をします。一方、暦年課税の場合に、株式を適正に評価した金額とその年にもらった他の暦年課税の対象財産を、贈与者全員分合計して110万円以下であれば、原則として贈与税の申告は不要です。相続時精算課税の適用や届出の有無は別に確認します。
それならそれで堂々と回答すればいいでしょう。必要以上に怖がる必要もありません。
ただ、意外と知られていませんが、株価は常に額面ではありません。上場していなくても株価は動いているものと考えられています。そのため、その都度の評価が必要です。
額面で110万円以下の贈与だと思っていたというのであれば、それはちょっと話が変わってきますので。

