相続税と贈与税の一体課税というはなし。

メデイアにも取り上げられることが増えている相続税と贈与税の一体課税。

その内容をざっくりお話します。

目次

相続税と贈与税の関係

相続税と贈与税には関係があります。

相続税は、相続後の財産の移転にかかる税金
贈与税は、生前の財産の移転にかかる税金

相続税は、相続時点での財産にかかり、財産が多いほど税金は増えるという特徴があります。

そのため、その積み上げの高さを下げようと、生前に財産を移転しようと考えるわけです。

そこに贈与税がかかります。

だるま落としをイメージしてみましょう。

背の高いだるま。それを贈与という木槌で1段ずつ下げて、相続財産というだるまの背を低くしていく、そんなイメージです。

暦年課税の生前贈与加算と相続時精算課税の比較

贈与税の計算方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがありますが、それぞれ、相続税の計算に関係します。

相続税の計算をするときに、贈与でもらった財産があれば、一定期間のものを対象にします。

前述の2つの贈与で、相続税の計算に、贈与でもらった財産をどこまで取り込むかに違いがあります。

暦年課税は、相続税の計算に取り込まれるのは、相続開始前3年以内の贈与財産。

相続時精算課税は、「精算」の文字どおり、100年前であろうと、相続税の計算に取り込まれることになります。

暦年課税でもらった財産は、相続人や遺言で財産をもらった人に対する贈与であっても、相続開始前3年を超える部分は、相続税の計算上、考慮されません。

この取り込まれる期間が違うという点に注目して、相続税の計算のしくみが見直される可能性があります。

相続税と贈与税の一体課税という流れ

メデイアでも取り上げられることが多くなった、相続税と贈与税の一体課税というはなし。

このはなしは、

節税対策として、利用される生前贈与。

  • 相続税と贈与税の税率差を利用した節税
  • 資産家ほど、効果が高い
  • 贈与税率が高く、思ったほど財産が動かない
  • 格差がつきやすい
  • 外国とルールが違い、あわせにいく

といったところから見直しが検討されています。外国のルールと比較しても違いはあります。

具体的には、3年を超える贈与を今後どうするかというはなしです。

  • アメリカでは、贈与も相続も同じ税率表で計算し、一体課税。すべて取り込む相続時精算課税のイメージ。
  • フランスは15年分の贈与を生前贈与加算として、相続税の計算に含める
  • ドイツでは10年分の贈与を生前贈与加算の対象にしています。

国は方向性しか発表していませんが、上記を参考に合わせに行くでしょうね。

「相続税と贈与税の一体課税」の背景についてざっくり解説してみた。 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog 


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この記事を書いた人

ひとり社長・フリーランスの経理をITを活用してサポートします。クラウド会計の導入・スポットでの相談・相続税申告も得意です。著書に「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」(共著)

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