相続財産を手放す予定ならタイミングが大事。 

相続財産を手放す予定があるなら、そのタイミングは大事になります。

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相続財産を売る

相続があった後に、相続した財産を売るというケースがあります。

いつ手放すか?

しばらく使ったあとの10年後,20年後なのか。

それともわりと早目の3年後なのか、はたまた4年後か。

もし、後者のように比較的短期間で売ろうと考えているのであれば、3年10ヶ月以内か3年10ヶ月後でかなり違いがあるというのは知っておきましょう。

相続の日から3年10ヶ月以内

3年10ヶ月以内に売るか、4年後に売るかで何が違うのか?

税金の負担が変わってきます。

不動産や動産を売る場合、売ったときの売却益には税金がかかります。

相続税を払っている場合で、その相続した財産を相続の日の翌日から3年10ヶ月以内に売却した場合には、特例が使える場合があります。

たとえば、こういった特例です。

  • 相続税額の取得費加算の特例
  • 被相続人の居住用財産の譲渡の特例(3,000万円控除)

まず、相続税額の取得費加算は、相続財産を3年10ヶ月以内に売った場合には、売却益から相続税額の一部をマイナスできるというもの。

被相続人の居住用財産の譲渡の特例(3,000万円控除)はおひとりさまで住んでいた自宅(昭和56年5月31日以前に建築されたもの)を売った場合で、その他の要件にも該当する場合には、売却益から3,000万円をマイナスできるという特例です。

昭和56年5月31日以前に建てられたものでなければ使えないといいうのがネックではあるのですが、使えるケースはありますし、わたし自身何度か申告をやったことがあります。

(詳細な要件については、複雑になりすぎるのでここでは触れません。)

結果として、税金が100万円単位で変わることもあります。

相続後にわりと早目に財産を手放す予定があるなら、ひとつの基準として考慮しておきたいところです。

3年後と4年後。1年違うとかなりの違いになりますので。

小規模宅地等の特例は申告期限までの保有が要件

かといって、手放すのが早すぎると、今度は小規模宅地等の特例が使えなくなる可能性があります。

小規模宅地等の特例というのは、

  • 亡くなった方の自宅の土地なら330㎡まで80%
  • 事業用の土地であれば、400㎡まで80%
  • 駐車場など貸付の土地なら200㎡まで50%

の評価減ができるものです。(無制限に適用できるものではなく、要件と限度面積があります。)

小規模宅地等の特例を使う場合、申告期限まで土地を持ち続けることが要件の1つになっていて、手放すのが早すぎると大きな痛手になります。

ということで、相続財産を手放すことを検討しているなら、そのタイミングは大事です。

そもそも、被相続人の生前に手放したほうがいいケースもあるので、相続をどうするか?というのは生前から検討しておくのがおすすめです。


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この記事を書いた人

ひとり社長・フリーランスの経理をITを活用してサポートします。クラウド会計の導入・スポットでの相談・相続税申告も得意です。著書に「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」(共著)

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