「土地の評価額はいくらになるのか?」は現地を見ないとわからない

相続税の申告では、土地の評価がいくらになるかは、大きなポイントです。

もし評価減できる項目があれば、その分評価が下がりますし、税金にも影響しますから。少なくとも机上だけではわかりません。

目次

土地の評価をするなら

相続税の申告をするときに、相続財産を評価する必要があります。

相続財産の大きな割合を占めるのが不動産。

預金は額面の金額で評価をすれば、だれが評価しても同じになります。

ところが不動産は違います。

不動産の評価は、預金のように額面で評価されるものではないのです。

その土地がいくらになるか?を評価して、相続財産の金額とします。

ただ、評価するのはカンタンではなく、実際の土地の状況をチェックする必要があります。

図面だけ見ても答えは出ない

土地の形を把握するには、測量図や公図などの図面があればわかります。

ただ、すべての土地に測量図があるわけでもないですし、公図は正確でないケースもあります。(14条地図と記載があれば正確だといわれています)

現地で測量する必要があるでしょう。

さらに、図面は平面です。土地の評価をするには、評価減ができないかどうかを検討しますが、図面ではわからない要素もあるのです。

そのわからない要素は現地に行ってみるとわかることが多いです。

現地に行ってみたら
  • 現地に行ったら、土地が傾斜していた
  • 現地に行ったら、道路に対して土地が高いところにあった
  • 現地に行ったら、電車の騒音あった
  • 現地に行ったら、家の上に高圧線があった
  • 現地に行ったら、異臭がした

こういう土地は評価減できる可能性のある土地です。

ただ、図面は平面で描かれていることが前提。現地を見ないとわからないのです。

机上だけで土地を評価していると、こうした要素を見落とすことになります。

なので、わたしは相続税の申告の依頼をいただいたら、現地を確認するようにしています。

誰もがもっておきたい目

では、ご自身に関わる土地が評価減できるかどうか?

ケースバイケースですが、1つ持っておくといい目があります。

それは、常識で考えてみること。

税金のルールやら何やらあり、「そういうルールなので」と言われたら納得せざるを得ないこともあるでしょう。

ただ、普通に考えてみて、この土地と向かいの土地が同じ値段で売れるのか?というように思うこともあるはずです。

たとえば、道路をはさんで2つの土地があり、かつ、土地の形が同じだとした場合に、相続税のルールどおり評価したら同じ評価額に。

でも、道路挟んでこちらは騒音がうるさい。むこうの土地は静かというようなケースがあったとすると、売るときにはそれは価格差として出てくるはずです。

そのときに、評価減ができるのでは?と疑ってみることです。

もちろん、それがそのまま適用できるとは限りませんが、引っかからなかったらそのままスルーしてしまう話。

申告を税理士にお願いしているなら、一度確認してみるといいでしょうね。

相続税の評価のルールも細かく決められているわけではなく、ときには、その「常識」を少し疑ってみるという目も必要かと。


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この記事を書いた人

ひとり社長・フリーランスの経理をITを活用してサポートします。クラウド会計の導入・スポットでの相談・相続税申告も得意です。著書に「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」(共著)

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