相続税がかかるのかどうかわからないというケースは多いと思います。
相続があったときに相続税がかかるかどうかをざっくりチェックする方法についてまとめてみました。
相続税がかかるかどうか?
財産の総額が2億円を超えるような場合であれは、相続税がかかることはわかりますが、相続税がかかるかどうかわからないケースもあるでしょう。
都心であれば、自宅と株式や預金などで相続税がかかることもあります。財産の数で決まるわけではないのです。
そういう場合、ざっくりでもいいので相続税がかかりそうかどうかをチェックしてみることが大事です。
期限は相続があってから10ヶ月。
それまでにやることは多々あり、早めに動くことが欠かせません。
税務署は相続税がかかりそうな家には、相続税の申告書が入った封筒を相続人の家に送ってきます。
ただ、それを送ってくるのは相続があってからだいたい半年後。
それでは遅く、相続があってから早めに計算してみましょう。まずは、じぶんでざっくり計算してみることもおすすめです。
相続税がかかるケースは?
相続税がかかるかどうかの計算は次のように考えます。
- 相続財産+(生命保険金・死亡退職金などの)みなし相続財産+生前贈与の財産
- 債務・葬式費用
- 上記の差額(①ー②)
上記で計算された「純財産」が基礎控除額を超えた場合には、相続税がかかる可能性が高いです。
まとめると、
- 純財産>基礎控除額→相続税がかかる可能性大
- 純財産≦基礎控除額→相続税がかからない可能性大
ということです。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
たとえば、相続人が2人なら基礎控除額は4,200万円。相続人が3人なら4,800万円というイメージです。
相続税がかかるかをざっくりチェックするには?
じぶんでざっくり計算するために次のようなことをチェックしてみましょう。
不動産
固定資産税の納付書に同封されている固定資産税の課税明細書を見て、土地は課税明細書に記載の「価格」を1.1倍した金額を使います。
1.1倍は、路線価は土地の公示価格の約0.8倍、固定資産税評価額は公示価格の約0.7倍とされていることからです。
「固定資産税評価額÷0.7×0.8=路線価」という式の「÷0.7×0.8」の計算を1.1倍としています。
ただ、目安に過ぎず、実際にはそれ以上のケースもあります。保守的に「×1.2」で考えておくのも手です。
建物は固定資産税の課税明細書に記載の価格をそのまま利用すれば大丈夫です。
どちらも貸している場合には減額割合があります。
株式
上場株式や投資信託は相続があった日の終値でいいでしょう。ネットで「銘柄 株価」などで検索できます。
ざっくりなら3ヶ月毎に届く「取引残高報告書」でもいいでしょう。
中小企業の株は評価がむずかしいので、ひとまずおいておき、税理士に計算してもらうのがいいでしょう。
生命保険金
生命保険金は入金された金額を書きます。
ただし、相続人が受取人の場合には非課税金額があるので、それはマイナスしておきましょう。
非課税金額は「500万円×法定相続人の数」で計算します。生命保険金と後述する死亡退職金それぞれに非課税金額があります。
生命保険金が入金されなくても、亡くなった人が掛金を払っていた保険契約があれば、「生命保険契約に関する権利」として、解約返戻金が相続財産になるので注意です。
死亡退職金
退職金は勤務先から払われるもの以外にも、亡くなったことで小規模企業共済からもらう共済金があれば、それも含めます。
生命保険と同じように非課税金額があり、「500万円×法定相続人の数」で計算します。これはマイナスしておきます。
生前贈与
相続人や遺言で相続財産をもらう人が暦年課税贈与により、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があれば、それも相続税の計算に含めます。
もし、相続時精算課税贈与で生前に贈与を受けていれば、何年前の贈与でも相続税の計算に含めます。
どちらのケースでも贈与時の値段で含めます。
贈与で財産をもらった人、全員に確認しておきます。通帳から振り込み履歴などを確認するのも手です。
債務・葬式費用
相続人や遺言で包括的に財産をもらう人(全体の1/4を遺贈するというように割合で指定された遺言)は亡くなった方の債務や葬式費用は相続財産からマイナスできます。
債務はもれなくチェックしましょう。
債務は亡くなった時点で確定している債務なので、病院の入院代や固定資産税、相続人が生前に立て替えていたものなども含みます。
葬式費用については、お布施など領収書がもらえないものも債務の対象になります。
ということでざっくりまとめてみました。相続があったら早いうちに計算してみましょう。