消費税の計算方式は今期だけでなく翌期以降も把握しておこう 

消費税の納税額の計算方法は2種類あります。

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原則課税と簡易課税です。

翌期の計算方式は原則課税か簡易課税かを把握しておく

消費税の計算方式には原則課税と簡易課税があります。

計算方式が2つあって、現在はどちらの計算方式なのかということだけでなく、翌期以降はどうなるのかということも知っておきましょう。

ただし、前々年または前々事業年度の売上が5,000万円を超える場合には「原則課税」でしか計算できません。

わからなければ、顧問税理士に確認をしてみましょう。

原則課税

原則課税は、売上に係る消費税額から購入に係る消費税を引いて計算する方法です。

例えば売上1,080円で、仕入が432円(他の取引はないものとする)であれば、

納付する消費税は 80円 - 32円 = 46円 となります。

「簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出したことがなければ、この原則課税で計算します。

簡易課税

簡易課税は、① 2年前または前々事業年度の売上が5,000万円以下の場合 ② 「簡易課税制度選択届出書」を前事業年度末までに提出している場合 に限って適用することができます。

[blogcard url=”https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm”]

みなし仕入率を使って売上に係る消費税だけで納付する消費税を計算するため、計算は簡便です。

例えば売上1,080円で、仕入が432円(他の取引はないものとする)、みなし仕入率は80%(第2種)とすると、

納付する消費税は 80円 - 80円 × 80% =16円 となります。

この場合、仕入の消費税32円は消費税の計算上は考慮されません。

このようにどちらの計算方式を適用するかで納税額は違ってきます。消費税の計算方式をケース別に考えてみます。

建物を売却したい場合

今期、賃貸用の建物を売却する予定があります。建物の売却価額が5,400万円(税込)だとすると、計算は次のようになります。

原則課税の場合

売買仲介手数料を省略すると、建物の売却について控除できる消費税はありません。

建物を購入した際に払った消費税は、建物を購入した時にすでに控除しているため、結果的に建物を売った消費税をまるまる納税することになります。

なので、建物の売却にかかる消費税として、400万円を納付する必要があります。

簡易課税の場合

簡易課税の場合には「みなし仕入率」を使って売上に係る消費税のみで納付する消費税額を計算します。

購入したときに払った消費税に関係なく、売った時に預かる消費税だけで納税額を計算します。

固定資産を売却した場合のみなし仕入率は60%(第4種)なので、

納付する消費税額は、 400万円 - 400万円×60% = 160万円 になります。

もし今期は原則課税だけど、実は翌期が簡易課税になる場合、引渡し時期の違いで納税額は大きく変わることになります。

翌期の課税方式は原則課税か簡易課税か常に意識しておきましょう。

機械を購入したいけど来期から原則課税

期末近くに機械が壊れて、新しい機械を購入することになった場合で考えてみます。機械の購入代金は540万円(税込)です。

原則課税の場合

原則課税は売上に係る消費税から購入に係る消費税を控除して計算します。

機械を購入した場合には、売上に係る消費税から機械の購入に係る消費税40万円を控除することができます。

簡易課税の場合

簡易課税の場合には「みなし仕入率」を使って売上に係る消費税のみで納付する消費税額を計算します。

売上に係る消費税だけで、納付税額を計算するので、機械を購入した時に支払った消費税は、簡易課税の場合には全く考慮されません。

なので、機械を購入した時に支払った消費税40万円は控除できないことになります。

今期は簡易課税だけど、翌期が原則課税となる場合、引き渡しの時期の違いで納税額は大きく変わる可能性があります。

事前に把握していれば、シミュレーションするなどして、どうするべきかを判断することもできます。

翌期の課税方式が原則か簡易課税なのかは常に意識しておきたいものです。

 

今期は原則課税なのか簡易課税なのかということだけでなく、翌期も原則課税なのか、簡易課税なのかということは意識しておきましょう。

顧問税理士に確認しておくことも1つです。

消費税の計算方式が変わると納付税額には影響があります。

もちろん、税金のことだけで判断をするのではなく、現状を総合的に見て意思決定するべきです。

ただ、納税は資金繰りにも影響しますし、これを知っているのと知らないとでは確実に選択肢の数が違ってきます。1本しか道がないのか、2本の道があるのか。

消費税の場合で考えると、建物を今期に売却するか、翌期に売却するのか。

場合によっては「簡易課税制度選択届出書」を今期中に提出する必要があります。

判断をする場合には、いくつかの選択肢を持っておきたいものです。

 

 

【編集後記】

昨日は午前中は所内業務。午後はお客様訪問。久しぶりに岐阜県に行きました。高速道路をつかっても1時間半くらいかかりました。やっぱり岐阜県は遠いですね。^^;